オーダースーツ S様拘りの逸品 [Harrisons・GRAND CRU]

名古屋オーダースーツ粋ブログを御覧頂き有難うございます。
お客様拘りのオーダースーツの御紹介。
今回はエレガントの極み。
「美しい」という言葉がピッタリな一着を御紹介します。
グレー人気の今シーズン。
S様にお仕立て頂いたこのスーツには、そういったトレンドとかを超越した芸術的な美しさがあります。
何故、こんなに綺麗なのか??
その秘密は・・・・・。
生地セレクト

お選び頂いたのはHarrisons of Edinburgh ハリソンズ オブ エジンバラのGRAND CRUコレクション。
Super150‘sの極細原毛を、なんと贅沢にも75番手という通常よりも太めの糸に紡いだスペシャルな素材です。
もっと細く出来るのに何で太番手にしたの??
服好きの方ならそうお感じかと。
先ずは、下の画像を御覧になって下さい。
↓↓↓↓↓↓↓

どうですか、皆さん。
この生地、独特のヌメリ感が在りますよね?
そう!! これを表現する為にあえて太番手に仕上げた訳です。
何だかイマイチ分かり難いという方はカシミアのセーターを想像してみて下さい。
ハイゲージになると表面はツルッとして光沢がありますよね。
これが、ざっくりしたカシミアセーターだとどうでしょう。
糸が太い訳ですから、ハイゲージのそれより、ヌメリがあるでしょ?
それのスーツ版がGRAND CRUってことです。
細部に微調整を加える


左が今回のスーツ。右が前回お仕立て頂いたスーツ。
シンプルがゆえ、細部の微調整がとっても重要です。
S様は今回、ラペル巾を細く調整されました。
調整巾は僅か数ミリ。
でも、御覧の通り、仕上がりでは大きな差が生まれてくるんです。
ヌメリ感のある艶っぽい生地と細くしたラペル、絶妙のマッチングです!!
生地の雰囲気に合わせて細かな微調整を施せるのがオーダの醍醐味ですね。
そして、S様渾身の拘りはパンツにも詰まっています。
ある時、こんなお話を頂いたんです。
イタリアの某メーカーのパンツは股部分にゆとりがあるにも拘らず、着用時はヒップ下がスッキリしている。
このゆとりをパンツ生産に盛り込めないだろうか?
下の画像を御覧になって下さい。
↓↓↓↓↓↓↓


この写真はパンツの尻ぐり形状を比較したモノです。
左がS様からお借りしたイタリアの某メーカーのパンツ。右が以前お仕立て頂いたパンツです。
両者の決定的な違いは、尻ぐりの形状です。
左のイタリアの某メーカーのパンツは、立体的な丸い形状。
一方の右は丸みが少なく直線的な形状。
尻ぐりのラインが大きく弧を描く=ヒップにゆとりが生まれるということ。
さらに、アイロンによってクセ取りを施すことで、ヒップ下の余分なゆとりを消しこんでいます。
「ゆとりがあるにも拘らず、着用時はヒップ下がスッキリしている」のは、この為です。
ヒップは様々な曲線が入り混じっている為、パンツのフィッティングというは非常に難しいんです。
ヒップ下が余ると不恰好なので、それを削る為、S様に幾度となく微調整を繰り返して頂きました。
それ故、どうしてもゆとりを犠牲にせざるを得ない現状がありました・・・・。
結果、丸みの少ない尻ぐり形状に・・・・。
S様と幾度となくお話し合いをさせて頂いた末、
アイロンでのクセ取りが必要のない専用の型紙を作成させて頂くことに。
S様専用MODEL(専用型紙使用)

平置きした時、尻ぐりのゆとりが股の部分に出ているのがお分かり頂けるかと思います。
尻ぐり形状を緩やかにすることで生まれたゆとりです。

小股部分にもゆとりを確保。
ここにゆとりが無いと、座った時に窮屈感を感じてしまいます。
ジャケットでのミリ単位の微調整・パンツの抜本的な型紙の見直し、本当に多くの拘りが詰まったこの一着。
カスタマイズを積み重ることで洋服はここまで進化するんです。
既製品では到底なし得ないオーダーの醍醐味を教えて頂けました。
S様、いつも本当に有難うございます。
ご愛用頂けますことを心より願っております。






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2010/11/28 Sun. 21:38 |
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